院長によるルフォー (中顔面の短縮) 解説動画のご案内
SSRO (下顎矢状分割骨切り術)とは
下あごが出ていて、しゃくれている。そんな状態を引っ込めたいという方には、SSRO(下顎矢状分割骨切り術)を行います。
SSROは、当院が行う輪郭美容整形の一つです。様々なアゴの変形症にも適応できることから、ルフォーと共に最も代表的な手術です。
上あごや前歯が出ている「出っ歯」や、下あごが出ている「受け口」は、見た目のお悩みだけでなく、噛み合わせが悪くうまく噛めないということもあります。
こうした症状を改善する手術としては、ルフォー骨きり術とSSROを組み合わせることが多く、ルフォーで上あごを動かし、さらにSSROで下あごを上あごに合わせて移動させて行います。
小顔効果も叶うSSROとは?
SSROは、下あごが突出している場合に適した手術で、下あご全体を後方に移動させると同時に、回転をかけるとエラの形も修正できるため、小顔効果が得られます。
またSSROは分割した骨の間の接触する面積が広いことから、治りも早く、早期に顎位が安定するという特徴があります。
他の手術と一緒に行うことで、受け口や出歯、ガミースマイル、下あごの短縮を行うことが可能です。
また腫れが引いた後にたるみが生じた場合は頬や首のリフトアップや、鼻整形の鼻中隔延長術や鼻翼縮小術、眠そうな目をぱっちりさせる眼瞼下垂などと併用もできますので、より理想的なお顔にされたい方におすすめしております。
SSROの手術方法を知りたい!
SSROは、顔の下あごの骨を分割して移動を施す手術になります。全身麻酔で行われ、通常は数日間病院に滞在して行われます。
高度な知識と技術が求められる手術ですが、簡潔にその流れをご説明いたします。
- 1. カウンセリング
患者様のお悩みをお伺いし、ご希望の仕上がりと可能な骨の移動量などをご相談した上で手術内容を決定していきます。 - 2. 切開と骨膜剥離
切開は、口腔内の下あご骨のライン上で、粘膜を切開し、頬筋を切り離します。
その後、下顎枝前縁から慎重に骨の剥離を進めていきます。 - 3. 下顎枝内側の骨切り
下あごの外側と内側の骨を露出させ、内側の皮質骨(骨の表面部の硬く緻密な骨)を水平に骨切りします。下あごの前から後まで、この辺りの様々なカーブに応じて、平行に骨切りを行います。 - 4. 下顎枝前縁の矢状骨切り
続いて下顎枝の前面の矢状骨切りを行います。外側と内側の皮質骨の境界付近に溝を掘り、この溝に沿って、尾側の下顎下縁まで骨切りを行います。皮質骨を切った後は海綿骨にノミを入れ、セパレーターで骨の間を広げながら、下歯槽神経を避け、骨切りを行います。 - 5. 下顎の移動
手術前に決めた計画に従って、下あごを移動させながら、余剰の骨を切除して整えます。
骨を分割した後の移動や関節の位置づけは、噛み合わせの上でとても重要になります。 - 6. プレートで固定
骨を調整した後は動かないようにプレートで固定します。上下のかみ合わせを整えるために金属の装置(シーネ)を装着します。
施術の流れ
※施術全体は、全身麻酔のもと、3時間程度かかります(SSRO単独時)。
手術後の経過とアフターケア
手術後の当日
手術後は回復室で経過を観察いたします。
手術直後の患部の安静や血腫予防、歯の噛み合わせを安定させます。滞在中は痛み止め、腫れ止めで経過をみていきます。
口腔内から血液を排出するドレーンがでます。顔には腫れを抑えるフェイスバンドをあてます。
顎間ゴムの固定
手術翌日にシーネにゴムをかけ始めます。嚙み合わせのチェックを行った後、顎間ゴムで固定します。
顎間ゴムは傷口の安静と嚙み合わせの安定のため3週間は装着しますが、状態に応じては引き続き着けることがあります。
手術後の通院
術後1週間前後に歯科にて口腔内清掃を行い、かみ合わせのチェックを行います。3週間後に抜糸、かみ合わせが問題なければ顎間ゴムを外し、シーネを除去します。
この頃には噛み合わせもかなり安定してきます。その後は少しずつ口を開けて、ご飯を食べる練習をします。
口内の衛生を保つために
顎間ゴムをしている間はウォーターピックで口腔内の清掃をしてもらいます。
歯ブラシは見える範囲で口腔内の傷に負担がかからない範囲で使ってもらって良いです。
食事に関して
食事は、手術後1ヶ月程は流動食や柔らかいもので栄養管理します。流動食で体重が減少することがあります。
1ヶ月経過した頃には噛み合わせが安定してきますので、普通食を召し上がって頂けます。
SSROのリスクと副作用
腫れ・痛み
基本的に口唇の腫れは2週間程度で術前と同じぐらいに戻ります。
個人差がありますが、強めに出た腫れや口唇周りのこわばりは2ヶ月程度、完全に膨張が取れるのは3~6ヶ月を要します。また痛みは手術後3ヶ月程度残る場合があります。
しびれ・知覚麻痺
手術でアゴや下口唇の知覚神経を触った際に、しびれや麻痺が起ることもあります。
術後1年以内には治まりますが、まれに残る場合もあります。
アゴの違和感
術後はアゴの広がり具合が変わるので、あごが締め付けられるような違和感が生じることがあります。
口唇の傷
口を大きく開ける器具を使用しながら手術になりますので、口唇に擦り傷や内出血が起こることがあります。
およそ切開で残る多少の傷は3週間ほど時間の経過とともに治まります。その際に治りを早くする外用薬を処方する場合もあります。
※当院では、これまで多くの経験を積んだ形成外科医が責任を持って対応いたします。ご質問やご不安などがございましたら、遠慮なく相談して下さい。